大胆な空間構成で日本のシュルレアリスムを代表する写真家
鳥取県西伯郡境町(現境港市)出身の写真家の植田正治(1913年 - 2000年)は、被写体をオブジェのように配置する独特の技法で、写真界に新たな風を吹き込みました。
植田正治の「演出写真」は、写真発祥の地フランスで「Ueda-cho(植田調)」と称され、国内外で高い評価を受けています。代表作である「砂丘シリーズ」は、鳥取砂丘を舞台に大胆な空間構成で表現されており、国内外で高い評価を得ています。
世界最大級のカメラレンズ
館内には、600kgを超える巨大カメラレンズが展示されています。このレンズは世界最大級でありながら最小クラスという特殊な規格で、映像展示室で使用されています。
レンズは、焦点距離8400mm、F値32、画角21度という驚異的なスペックを誇り、撮影された映像は直径7mにも及びます。この巨大レンズの仕様や作業工程、歴史や知識をクローズアップしています。
カメラの内部を体感できる映像展示室
2階には、カメラの内部にいるような感覚が体験できる映像展示室があります。この展示室には、総重量625kgもの超大型レンズが使用されており、写真技術の原点であるカメラ・オブスキュラを体感することができます。
建築と自然の調和
美術館は著名な建築家、高松伸が設計しました。のどかな田園風景に現れる外観は、植田のスタイルに見られる「無機質」さを表現しています。
眼前にそびえる大山を建築意匠として取り入れるなど、周囲の環境との調和も見どころです。建物のスリット状の隙間から伯耆富士の形状の大山と水面に写る「逆さ大山」を望むことができるように設計されているます。