松葉ガニのオスの水揚げは毎年11月6日から3月下旬までの期間限定で、島根県、鳥取県、兵庫県、京都府などの山陰地方の漁港で行われます。代表的な漁港には境港(さかいみなと)、浜坂港(はまさか)、香住港(かすみ)、津居山港(城崎:きのさき)、柴山港(しばやま)、浅茂川港(あさもがわ)、間人港(たいざ)、宮津港(みやづ)、舞鶴港(まいづる)などがあります。
松葉ガニのメスであるセコガニは解禁時期も限られ漁獲量が少なく、小さく痛みやすいことから、長らく漁港近くの地元の人しか口にしないものでした。しかし、その卵と蟹味噌の持つ独特の食感やコクのある味わいはクセになると地元の人々に愛されています。
セコガニの卵巣部である内子(うちこ)は鮮やかなオレンジ色で、歯ごたえも良く、コクがあって非常にまろやかな味わいです。一方、外子はお腹の外側にある卵で、プチプチとした食感がやみつきになる珍味です。地元の人々は、この味わい深いセコガニをカニ汁にして楽しむことが多いです。その他にも、刺身や鍋料理、酒蒸しなど、様々な料理に活用できます。
セコガニの旬は、11月から3月までです。特に、11月から12月にかけては、卵巣と外子が大きく成長し、最も美味しく味わえます。セコガニは、こっぺがに、せいこがに、こうばこ(香箱)ガニなど地域によって様々な呼び名があります。