さばずしは、千代川上流域の正月料理として作られる発酵ずしです。魚、飯、塩の基本材料に糀が加わった改良型ナレ寿司です。もともとは、この川で獲れるアユを漬け込んでいましたが、アユが獲れなくなってからは、海魚に変わり、サバやシイラが漬けられるようになりました。
サバは半身におろし、シイラは大ぶりの切り身にし、やや辛めに塩出ししてから使います。人肌に冷ました飯と等量の糀を混ぜ、これと魚を交互に重ね、落し蓋と重石を置き、約二ヵ月ほどで糀の甘味が効き出します。他にも、新鮮なサバを使った棒寿司のさばずしもあります。