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小鹿渓

(おしかけい)

ダイナミックな景観が楽しめる渓谷

小鹿渓は、中国山地の三徳山と三国山の間を流れる小鹿川に沿って約4.3キロメートルにわたって広がる自然豊かな渓谷です。大小の滝や深い淵が点在し、新緑と紅葉の名所として知られ、四季折々の自然の美しさを楽しむことができます。国の名勝に指定されています。

小鹿渓は、淵や浅瀬が続く穏やかな流れで、女性的と形容されることが多いです。雄淵や雌淵など多くの淵が見られ、水晶瀑などの名所もあります。付近にはカシやトチ、ブナなどの自然林が広がり、紅葉だけでなくシャクナゲの名所としても知られています。

三朝温泉市街地から北東へ進むと、投入堂で有名な三徳山三仏寺があります。また、小鹿渓では、谷底に冷気が滞留するため、川に落ちた紅葉が下流から上流に逆行する現象も見られます。

特徴

小鹿渓は、三徳川の支流である小鹿川の上流域に位置し、神倉地区から中津ダムまでの約4.3キロメートルにわたる渓流です。

小鹿川は、中国山地の三徳山と三国山の間を流れます。この地域の地層は古い花崗岩層で、海底に沈んで礫岩層を作り、これが隆起した後に溶岩が噴出し礫岩層の上に積み重なっています。急流がこれらの地層を侵食する過程で、多数の洞窟や甌穴が形成され、急峻で複雑な地形が生まれました。三徳山の南麓側が小鹿渓となり、北麓側が三徳渓となります。

小鹿渓では、谷底の岩石が黒雲母花崗岩で、斑れい岩、閃緑岩、輝緑岩が川床を横切るように散在しています。谷が入り組んで多くの淵や滝を伴い、高低差の大きな崖によって気温の逆転現象が生じ、特異な生態相が形成されています。これらが相まって奇勝とされています。

動植物

小鹿渓は標高400メートル前後で、冬には多くの積雪があり、夏は冷涼です。ブナの群落が見られ、鳥取県内のブナ林としては標高が低いことが特徴です。その他、高木ではイヌブナ、オニグルミ、サワグルミ、トチノキ、ミズナラが群生し、ウラジロガシ、アカガシ、ミズメ、イタヤカエデ、ホウノキ、スギ、カツラ、アズキナシが混在しています。

水棲生物では、ヤマメ、イワナ、オオサンショウウオが生息しています。

文化

小鹿渓の「弥六淵」には、次のような民話が残されています。

小鹿村の木地師の弥六が、行方不明になった母を探しに山奥へ入ると、大きな淵の底に巨大な水蜘蛛が潜んでいました。母はこの水蜘蛛に食べられてしまったのです。

弥六は仇討ちのために神社で願掛けをし、氏神によって巨大なヒキガエルに変えられました。ヒキガエルとなった弥六は水蜘蛛と闘い、危機を迎えましたが、許嫁の竜が現れて救い出しました。

水蜘蛛を倒して仇討ちを遂げた弥六は、約束通り山に登り岩に姿を変えました。その周りを許嫁の竜が守っているといわれています。この淵が「弥六淵」です。

Information

名称
小鹿渓
(おしかけい)
リンク
公式サイト
住所
鳥取県東伯郡三朝町神倉
電話番号
0858-43-0431
アクセス

倉吉駅から車で40分

倉吉駅からバスで40分 → 神倉から徒歩で30分

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